『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
X. IN THE STORM.
第10章 「大荒れです!」
第10章 第1段落
キャラ紹介

ということで、二桁章突入!
どうも、小説本編では語り手&主人公のウエストリッジだ。仕事は社会学者・ライターで、イギリス国民とはちょっと違った視点で物語を紡いでいくぞ。
ここ会話編ではドイツ担当だっ。ドイツ要素は中二病っぽさってことにされてるけどもう知らない。

そしてこんにちは。小説本編では語り手の奥さんのタージルムよ。リッちゃんの彼女ね。
物語中では典型的なイギリス国民の振る舞いをしているわ。数万人が殺戮されていくこの小説において、はたしてわたしは生き残れるのかしら?
ここ会話編ではイギリス担当。1900年ごろのイギリスは栄光あるヴィクトリア朝の末期ね。イングランドの黄金期がグロリアーナ(エリザベス1世)の時代(16C)なら、イギリスの黄金期はヴィクトリアの時代。文化が成熟し、21世紀とあまり変わらない部分もたくさん出てきているころよ。

やっほー! ヘンスリーだよ! 原作名は「Henderson」だよ!
小説中ではジャーナリスト。火星人に関する速報を現場から電報で送ってたよ。
でも火星人に接近しようとしたらレーザー銃で群衆ともどもやられちゃったみたい。
ま、結局はfictionだから、会話編では気にせずにNever Mind で Go For it!
会話編ではアメリカ担当だよ! まだまだ1900年ごろのアメリカは発展途上。これから一緒にLet’s Go!

うぃ。わたしは小説中では天文学者。原作名は「Ogilvy」だ。
火星人の宇宙船発射の瞬間を観測したり、着陸した宇宙船を最初に見つけたりと、自分で言うのもなんだけどそれなりに功労者な気がする。なのにあんまり評価されていない気がして悲しいぞ。
挙句の果てには火星人に接近して殺されたことになっているし。
死体はまだ上がってないっつーの。
小説中ではもう出てこないけど、きっとどこかでは生きてるから。
会話編ではイタリア担当だ。ただイタリア要素が出てくることなんてほとんどないぜ。イタリアはまだ統一したばかりで不安定だしさ。

ステファニーですにゃ。原作では「Stent」という名前でしたにゃ。
小説中では王室天文官というイギリス天文学会のトップ。グリニッジ天文台の所長も務めていたのにゃ。
ヘンスリーさん、オギルヴィーナさんと同じく、火星人と交渉を試みようとして虐殺の憂き目に遭いましたのにゃ。
会話編ではフランス担当にゃ。

(ステファニーさんの語尾だけ崩壊してるよね)
はい。デナリスです。小説本編では一度だけしか出番がありません。「隕石学の権威」で、原作では「Denning」という名前でした。
会話編でも特に担当国はありません。しいて言うならイギリスでしょうか。
St. Glorianaだし。

最後に、いちばん新しく登場したシルカです!
小説原作では名前はなくて、Spotted Dogというパブを運営してます。そんなに活躍はないですが…。担当国は日本です! 頑張ります!

ちなみに、流れ的に隊長が会話編の登場人物として出てきてる感じだが、ソ連のちっちゃいやつとかあんたの妹さん、あとフィンランドの達観したやつはいつ出てくるんだ?
こないだMLRSのカチューシャが出てきたあたり(第115話)でも少し気になったんだがな。

ソ連の方は第13章、妹の方は第14章、フィンランドの方は第11章だ。
会話編で出てくる登場人物はあと5人くらいといったところだな。
いままでの『宇宙戦争』

この小説の舞台は1900~1910年のイギリスよ。いままでの各章ごとのあらすじをまとめるとこんな感じかしら。
第1章:火星人の宇宙船(cylinder)が発進する。地球人はまったく知らない。
第2章:ある金曜日の早朝、宇宙船1つ目が、わたしたちの家の近所のホーセル共有地に着陸。
第3章:同午前、宇宙船は故障のためなかなか開かない。その間に野次馬が数百人集まる。
第4章:同夕方、宇宙船が開く。火星人の見た目が気持ち悪すぎてパニック。
第5章:火星人は交渉に応じる気はなく、火星人は一方的にレーザー光線で野次馬を殺戮。
第6章:引き続き、火星人が市民や家をレーザー光線で攻撃していく。
第7章:ホーセル共有地に行っていたリッちゃんが命からがら帰宅。
第8章:同夜、2つ目の宇宙船が、1つ目の宇宙船の付近に着陸。火星人が侵攻用意を整える。
第9章:翌日(土曜日)、英国陸軍がホーセル共有地を包囲。午後3時、攻撃開始。火星人は高さ30mのロボットに乗り、レーザー光線で反撃。火星人が市街地に侵攻し、家の周囲も危なくなってきたので、わたしたちは夕方に避難を開始。


第10章は、Wokingから避難して、親戚がいるLeatherheadにつくところから始まるぞ。
問題編
Leatherhead is about twelve miles from Maybury Hill*. The scent* of hay* was in the air through the lush* meadows* beyond Pyrford, and the hedges* on either side were sweet and gay* with multitudes* of dog-roses*. The heavy firing that had broken ( ) while we were driving down Maybury Hill ceased* as abruptly* as it began, leaving the evening very peaceful and still. We got to Leatherhead without misadventure* about nine o’clock, and the horse had an hour’s rest while I took supper* with my cousins and commended* my wife to their care*.
Maybury Hillメイベリー・ヒル(リッちゃんたちの自宅があるところ) scentにおい hay干し草 lush青々とした meadow牧草地 hedge生垣 gay with華やかな multitudes of多数の~ dog-roseイヌバラ cease止む abruptly不意に misadventure災難 supper(軽めの)夕食 commend託す care世話・保護
1. オレンジのandが繋いでるものは?
2. break( )で「起こる」「勃発する」という意味になるように青のカッコの中に一語を入れると?
3. 赤アンダーラインの主語と動詞は?
4. 緑のitが指しているものは?
5. 紫のandが繋いでるものは?

こちらが「hay」です。
干し草のかたまりで、家畜の飼料に使われます。


たしかに、Pyrfordの先には広々とした地帯ーおそらく牧草地?荒地?が広がってるね!


そして両側の生垣に咲いてた「dog-rose」(イヌバラ)は、以下のような淡い花を6~7月にかけてつけるにゃ。
この物語の季節がさらに絞り込めたにゃ。

花で季節絞り込むとか古典かよ


Maybury Hill~(Send)~Leatherhead をGoogle Mapで調べてみるとこんな感じ。
距離は13.6マイル(20㎞強)で、徒歩で5時間とのこと。
本文中には、「約12マイル」で、馬車で「午後9時ごろついた」(第121話の時点で午後6時だから、だいたい2時間くらいかかってる)とあるわ。
ここから、馬車の速度がだいたい時速10㎞くらいってことがわかるわね。

解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
Leatherhead is (about twelve miles from Maybury Hill*). The scent* of hay* was (in the air) (through the lush* meadows beyond Pyrford), and the hedges* 〈on either side〉 were sweet and gay* (with multitudes* of dog-roses*). The heavy firing 〔that had broken out 【while we were driving (down Maybury Hill)】〕 ceased* (as abruptly* as it began), (leaving the evening very peaceful and still). We got to Leatherhead (without misadventure*) (about nine o’clock), and the horse had an hour’s rest 【while I took supper* (with my cousins) and commended* my wife to their care*】.
1. オレンジのandが繋いでるものは、前後の2文(SV)。
2. 青カッコの中はout。break outで(戦争や感染症などが)「起こる」「勃発する」という意味です。
3. 赤アンダーラインの主語はthe heavy firing、動詞はceased。
4. 緑のitが指しているものは、the heavy firing。
5. 紫のandが繋いでるものは、tookとcommended。
全訳
メイベリー・ヒルからレザーヘッドまではだいたい12マイルくらいある。風に乗って、パーフォードの先の青々とした牧草地から干し草のにおいが漂ってきた。両側の生垣にはイヌバラがたくさん咲いていて、いいにおいで華やかだった。わたしたちがメイベリー・ヒルを下っているときに激しい砲撃戦が不意に始まったが、砲撃が止むのも突然だった。その後の夜はとても穏やかで静かだった。レザーヘッドには災難に遭うことなく9時ごろに着いた。馬に1時間の休憩を与えて、その間にわたしはいとこたちと夕食を食べ、ターちゃんをいとこにあずけた。

そうか、リッちゃんはまたWokingに戻って、この馬車をあんたのとこに返さなきゃいけないのか。

ですよ。わたしの移動手段がないじゃないですか。


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