『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第10章 第14段落

リッちゃんが馬車の事故を起こして水たまりに投げ出されたところからスタートにゃ。

このparagraphの2文目「his neck was broken, poor brute」のカッコは原文からついてたよ!
問題編
I crawled* out almost immediately, and crouched*, my feet still in the water, under a clump* of furze*. The horse lay motionless (his neck was broken, poor brute*!) and by the lightning flashes I saw the black bulk* of the overturned* dog cart and the silhouette* of the wheel still spinning slowly. In another moment the colossal* mechanism* went striding by me, and passed uphill towards Pyrford.
crawlはう crouchedうずくまる clumpやぶ furzeハリエニシダ(低木の一種)(第53話) brute(大きめの)獣(親しみを込めた呼び方) bulkかたまり(a ponderous shapeless mass非常に大きく不定形のかたまり) overturnひっくり返す silhouetteシルエット colossal巨大な mechanism機械
1. 青アンダーラインの訳は?

地図はこんな感じ。
火星人のロボ(2番目)はMaybury Hillの方から来て、リッちゃんの事故現場付近を通って、Pyrford方面へ向かったのよ。
(のちの段落でも描写があるけど)ひょっとすると、3番目の宇宙船に乗っている火星人と合流しようとしたのかしらね。


空挺でも降下後に部隊を再集合させるのは基本だからな!


たしかに空挺みたいなものかな。でも技術レベルが違いすぎる…。
21世紀の実戦的空挺では、降下開始の高度は高くても地上10kmくらいで、部隊は数㎢に散らばるけど、火星人は5600万km先の火星から宇宙船空挺部隊を出撃させて、散らばる範囲を数㎢の誤差にとどめてるもんね。ほんとすごい。

しかも驚くべきことに、これらの宇宙船は同時発射じゃなくて、1日に1個ずつ発射(10個あるから10日間)されているんだ。忘れた人は第1章を見てくれ。
当然、着陸タイミングや状況も違ってくる。それなのにこんだけ至近距離に着陸させるなんて神業だぜ。

宇宙船の制御技術がすごい。
月の位置関係とかで引力も変化するでしょうに…。
というか、これが空挺部隊ってことは、あとで「本隊」が来るってことよね。

そうかもしれんが、どうだろうか。
第1章で見たように、火星の国力は寒冷化などでかなり衰退しているはずだ。そんななか、こうした巨大ロボを数百体も作れるだけの工業力があるか?

なるほどね。たしかに橋頭堡を確保するだけなら、世界最強のイギリスじゃなくて、サハラ砂漠やシベリアにでも着陸して、ゆっくり本隊の到着を待てばいいはず。
そうじゃないってことは、火星の環境悪化はよほど緊急の問題で、定石通りに戦争をする時間的余裕がないってことね。

ああ。火星人の狙いは、空挺でいきなり世界首都ロンドンを陥落させ、混乱に乗じて欧州中枢を制圧して、一刻でも早く火星人の移住民が入れるようにする環境を作ることだろうな。
それに、「新兵器は登場直後が最強」だから、火星の兵器を持っていっても、なるべく早く決着をつけないと対策を打たれるかもしれないという危惧もあるだろう。
ということで、ちょっと違うかもだけど、電撃戦・機略戦みたいなもんだな。火星人のロボットは確かにレーザー砲が脅威だが、じつは防御面が弱い(三脚状だから、1本でも足が折れたら行動不能)。どちらかというと機動力に特化しており、ある意味、軽戦車だ。

なるほどね。
史実では第1次世界大戦のときに生まれた「戦車」「空挺」、そして第2次世界大戦のときに生まれた「電撃戦」と、のちに有効だと証明される戦術を火星人は1900年時点で上手に実行してるわけね。
解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
I crawled* out almost immediately, and crouched*, 《my feet still in the water》, under a clump* of furze*. The horse lay motionless (his neck was broken, poor brute*!) and (by the lightning flashes) I saw the black bulk* of the overturned* dog cart and the silhouette* of the wheel still spinning slowly. In another moment the colossal* mechanism* went striding by me, and passed uphill towards Pyrford.
1. 青アンダーラインの訳については、my feet~waterが挿入で、crouchedがunder a clump of furzeに繋がってることが見えればいいかなってとこですね。
挿入部のところは「my feet was still in the water」と、wasを補ってやればいいかと。
全訳
すぐに倒れた馬車からはい出て、足が水たまりに浸かったまま、ハリエニシダの茂みの下でうずくまった。馬は動かなかった(首が折れたのだ。かわいそうな馬!)そして稲光の中で見えたのは、横倒しになった馬車の黒いかたまりと、まだゆっくりと空転している車輪のシルエットだった。次の瞬間、巨大な機械がわたしのそばを大またで歩いていって、パーフォードの方へ丘を上がって行った。


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