『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第10章 第15段落
問題編

2文目の途中「one of which gripped a young pine tree」のカッコは原文からついていたわ。
Seen nearer, the Thing was incredibly strange, for it was no mere* insensate* machine driving on its way. Machine it was, with a ringing metallic pace, and long, flexible*, glittering* tentacles (one of which gripped a young pine tree) swinging and rattling* about its strange body. It picked* its road as it went striding along, and the brazen* hood* that surmounted* it moved to and fro* with the inevitable suggestion of a head looking about. Behind the main body was a huge mass of white metal like a gigantic fisherman’s basket, and puffs* of green smoke squirted* out from the joints of the limbs* as the monster swept* by me. And in an instant it was gone.
mereほんの~だけの(強意) insensate(in+sense+ate)感覚がない・狂っている(≒insane) flexible柔軟な・しなやかな glitterキラキラ(テカテカ)光る rattleガタガタ鳴る(to make a series of short loud sounds when shaking or hitting against something hard) pick穴をあける・ひっかく brazenブロンズ色(暗めの茶色)の hoodフード・覆い surmount~の上に搭載する to and froあちこち puffひと吹き squirt噴出する limb足 sweep by通り過ぎる
1. 青色アンダーラインの文型表示は?
2. 赤のandが繋いでるものは?
3. オレンジのitが指しているものは?
4. 赤アンダーラインの訳は?

うげっ
火星人だけじゃなくて、ロボットも触手属性かよ。ロボの触手は金属だけど…。
なんかダサいぞ!


ちなみにこの段落の記述通りにイメージ図を描くとこんな風になるよ!


やっぱり見た目的には触手とかフードが邪魔だが、機能上はあった方が便利そうだな。
触手は今回の段落みたいに、「手」として使える。フードのところは火星人が乗り込むところだから、防御上覆いがあったほうがいいってことだろうな。

だね!
あと、fisherman’s basketというのはたぶんエンジン(発動機)かな。
ここで何かしらのエネルギーを生み出して、ロボの手足を動かしたり、レーザー砲を撃ったりしてるのかも!

たぶんガス動力で、「green smoke」っていうのは排気ガスみたいなものなんだろうな。
レーザー兵器も化学エネルギーを利用した化学レーザー砲とかだったり…。
解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
(Seen nearer), the Thing was incredibly strange, 【for it was no mere* insensate* machine driving on its way】. Machine it was, (with a ringing metallic pace, and long, flexible*, glittering* tentacles (one of which gripped a young pine tree) swinging and rattling* about its strange body). It picked* its road 【as it went striding along】, and the brazen* hood* 〔that surmounted* it〕 moved (to and fro*) (with the inevitable suggestion of a head looking about). (Behind the main body) was a huge mass of white metal like a gigantic fisherman’s basket, and puffs* of green smoke squirted* out (from the joints of the limbs*) 【as the monster swept* by me】. And (in an instant) it was gone.
1. 青色アンダーラインの文型表示は、MachineがC、itがS、wasがVの第2文型倒置CSV(代名詞が主語だからCVSじゃなくてCSV)。補語にはa, anがつかない(特に文頭)ことがあるので、A machineとなってなくてもOKです。
2. 赤のandが繋いでるものは、1語で言うとpaceとtentacles。Machine it was withより後はすべて機械の説明をしているわけです。
3. オレンジのitが指しているものは、Machineまたはthe Thing。
4. 赤アンダーラインの部分は、直訳だと「頭が見まわしているという避けられない示唆とともに」でおかしいので、inevitable suggestionを「間違いなく~の様子だ」といったふうに読み解いていいと思うのですがどうでしょうか。
全訳
近くで見ると、そのロボは信じられないほど奇妙だった。というのも、単にわけもなく走り続ける機械ではなかったのだ。その機械は金属音を鳴らしながら走っており、長くしなやかで光沢のある触手(そのうち一本は若い松の木をつかんでいた)は揺れ、奇妙な本体部分とぶつかりながらガチャガチャと音を立てていた。ロボは闊歩しながら道に穴をあけていた。ブロンズ色の頭巾状のもので上部は覆われており、その部分はくるくる動いていた。間違いなく、周りを見まわしている様子だった。本体の後ろには、大きな釣り籠のような巨大な白い金属物体がついていた。わたしのそばをその怪物が通ったとき、緑色の煙があちこちの足の関節から噴出していた。そしてすぐにいなくなった。

「ロボが道に穴をあけていた」という表現があるけど、雨のぬかるみの中、数トン(ひょっとすると10トン以上?)あるロボットが走ってるんだから、地面に穴が開くのも当然ね。

ただ計算してみると、穴はあくものの、ぬかるみに足を取られるってことはなさそうだ。
「兵器が地面に及ぼす圧力」について、ちょうどいいYouTubeの動画があるから紹介しておくぞ。「ワーテルローの戦いに現代戦車が現れたら?」っていう面白い動画だ。


この動画では「地面がぬかるんでいたワーテルローの戦いで現代戦車は沈まないか?」っていう疑問に対して、こうした地面の圧力の話で「心配無用」と言ってるにゃ。

火星人ロボの重さが20トンで、足の太さが直径1m(3本の合計底面積は約2.4㎡)だとしても、
20×1000×9.8÷2.4÷1000≒80kPaとなって、だいたい現代戦車と同じくらいの対地圧力ってことになるわ。

ということで、戦車が動けるところなら、行動不能ってことではなさそうだな。

21世紀でも戦車がぬかるみにはまって動けない問題が、ウクライナの方で大変らしいわね…。


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