Girls & Martians 第172話 「マトンを食べます!」  【宇宙戦争 全訳】【入試 英文法 問題】

GuP_宇宙戦争_段落ごと

本シリーズは『宇宙戦争』を詳細に読解し、当時の時代情勢を読み解くことを目的としています。
実験的な試みとして、一部の登場人物の名前と代名詞を書き換えていますが、その他の単語や文章は変更しておりません。

『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。

第11章 第19段落

問題編

That was the story I got from her, bit by bit. She grew calmer telling me and trying to make me see the things she had seen. She had eaten no food since midday*, she told me early in her narrative*, and I found some mutton* and bread in the pantry* and brought it into the room. We lit no lamp for (  ) of attracting the Martians, and ever and again our hands would touch upon bread or meat. As she talked, things about us came darkly* out of the darkness, and the trampled* bushes* and broken rose trees outside the window grew distinct. It would seem that a number of men or animals had rushed across the lawn*. I began to see her face, blackened and haggard*, as no doubt mine was also.

midday正午(↔midnight) narrative話 muttonマトン(羊肉) pantry食料貯蔵室 darklyぼんやりと trample踏み荒らす bush低木・やぶ lawn芝生 haggardやつれた

1. 赤のseeと紫のseeのそれぞれの意味は?
2. 青アンダーラインの訳は?
3. 赤アンダーラインの文型表示は?
4. 緑のandが繋いでるものは?
5. オレンジのitが指しているものは?
6. ピンクのカッコの中に入る一語(名詞)は?
7. 茶色のever and againの意味は?
8. 灰色のout ofの意味は?
9. 青のasの先行詞は?

ヒツジ肉の話

タージルム
タージルム

mutton(マトン)はヒツジの肉なんだけど、成熟した1~2歳以上のヒツジの肉を指すことが多いわ。lamb(ラム)は1歳未満の子羊の肉ね。

シルカ
シルカ

ヒツジ肉って、イギリスではよく食べるんですか?

日本では食べませんね。ジンギスカンくらいですよ。

タージルム
タージルム

わりと21世紀でもメジャーよ。

羊の屠殺頭数ランキング
タージルム
タージルム

データも示しとこうかしら。

「肉用だけ」っていう統計グラフがなかったから、FAOSTATから直接統計データ取って来たわ。

タージルム
タージルム

2022年の統計によると、肉用羊の屠殺頭数がイギリスは世界10位ね。
中国が圧倒的だけど…。

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

ヨーロッパだけに絞ってグラフをかくとこんな感じだ。

ヨーロッパの中だけだったら、イギリスはロシアやスペインを抑えてトップだな。

ウェストリッジ
ウェストリッジ

妥当な順位と言ったところだな。
地中海諸国(③スペイン・⑤ギリシャ・⑧イタリア)は雨が少ないから、ヤギと同じく乾燥に強いヒツジが多いっていうのは高校で習った通りだ。
参考:https://alivevulnerable.com/basic/livestock-distribution-difference/

アルゼンチンは今でもヒツジの夢を見るか?(脱線)
ヘンスリー
ヘンスリー

さっきの表を書きなおしてみたんだけど(↑)、上位20位で南北アメリカ全滅じゃん! ブラジルは21位・アルゼンチンに至っては46位だよ! 


たしかにアメリカではヒツジ食べないけどさ、ブラジルとかアルゼンチンとかのステップで飼ってるんじゃないの? アルゼンチンは湿潤パンパで牛、乾燥パンパで羊っていうのは受験業界の常識じゃん!
What’s wrong with Argentina !?

ステファニー
ステファニー

これは「肉用」羊の統計だからかにゃ?
羊毛生産量、羊の飼育頭数(肉/毛両方)も見てみるにゃ。
(※「剪毛後脂付羊毛(フリース洗浄含む)」(Shorn wool, greasy, including fleece-washed shorn wool)は、刈り取った直後の羊毛のことだと思ってOKにゃ)

ウェストリッジ
ウェストリッジ

やっぱり、アルゼンチンそんなに強くないな。

タージルム
タージルム

次は年代ごとの羊飼育頭数の国別順位を見てみようかしら。南北アメリカの国には黄色を塗ったわ。

タージルム
タージルム

たしかにアルゼンチンはじめ南アメリカは過去に栄光を享受していたようね。アルゼンチンなんか、1961・71あたりで、オーストラリア・ソ連・中国・ニュージーランドといった有名どころに混ざって堂々上位に入っているわ。

ミーカライネン
ミーカライネン

而るにアルゼンチンの順位降下は甚だしく、栄枯盛衰も世の常なり、だな。
なお頭数も、1961年:5000万頭→2021年:1300万頭 と、1/4程度になっている。

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

ということで、アルゼンチンの乾燥パンパにヒツジがいるっていうのは本当だが、頭数は年々減り続けているってことだぜ。


調べてみたが、どうやら羊の価格が下がったことが一因のようだ。あとは経済政策も関係してるのかもしれん。あそこはしょっちゅう変なことして自滅してるからな。2024年2月のインフレ率276%とか意味がわからんぜ。

参考:https://www.britannica.com/video/179621/Sheep-Patagonia-Argentina
https://lin.alic.go.jp/alic/week/2001/feb/471ar.htm

用途別比較
ウェストリッジ
ウェストリッジ

さて羊肉の話に戻ろう。羊は基本的に毛用か肉用だ。各国でどっちがメインなのか知りたいところだな。

そこで指標として、屠殺頭数÷飼育頭数×100 という値を使ってみる。
屠殺頭数が必ずしも羊肉の消費とイコールになるわけではないが、参考程度にはなるだろう。
試しに以下の表とマップを作ってみた。

ウェストリッジ
ウェストリッジ

バーレーンやクウェートは明らかに外れ値(周辺諸国の屠殺を請け負ってる?)だから除外するとしても、北/東ヨーロッパや中東・中央アジアが上位に来るみたいだから、それらの国では羊の目的が羊肉と考えてもよさそうだ。
ニュージーランドはコリデール種(肉も毛もどちらも取れる)が有名だったな。

シルカ
シルカ

逆に、この値が小さいオーストラリアや南アメリカは羊毛がメインってことでしょうかね。オーストラリアにはメリノ種(羊毛が強い種)がいっぱいいるはずです。(オーストラリア=39.9, アルゼンチン=16.1)
それにしてもアフリカは全般的に値が小さいですね。

ウェストリッジ
ウェストリッジ

なんでだろうな。屠殺場が少ないとか、タンパク質の摂取量が少ないとか、そこら辺の理由だろうか…。

シルカ
シルカ

誰か知ってたら教えてくださいな。

タージルム
タージルム

あ、そうそう、ちなみにイギリスは42.2だったわ。
たしかにイギリスでは毛織物も作ってるからね。

マトンの今昔
デナリス
デナリス

ここまで長々と羊肉について喋ってきたけど、そろそろ戻りましょうか。

マトンを得るには1年以上育てる必要があるから、21世紀になるとマトンはかなりラムに取って代わられているらしいわ。
ただ、イギリスでは伝統的に羊肉がよく食べられてきて、羊肉のメインがマトンであったことは間違いないわね。
参考:https://pipersfarm.com/blogs/journal/forgotten-foods-mutton

解答編

That was the story 〔I got from her, (bit by bit)〕. SheS grewV calmerC (telling me) and (trying to make me see the things 〔she had seen〕). [She had eaten no food (since midday*)]O2, sheS toldV meO1 (early in her narrative*), and I found some mutton* and bread (in the pantry*) and brought it (into the room). We lit no lamp (for fear of attracting the Martians), and ever and again our hands would touch upon bread or meat. 【As she talked】, things about us came darkly* (out of the darkness), and the trampled* bushes* and broken rose trees 〈outside the window〉 grew distinct. It would seem [that a number of men or animals had rushed (across the lawn*)]. I began to see her face, blackened and haggard*, as no doubt mine was also.

1. 赤のseeは「理解する」「わかる」、紫のseeは「見る」。よく出てくる意味ですね。
2. 青アンダーラインについて、tellingとtryingは分詞構文で、「~しているうちに」「~するにつれて」くらいでいいのではないでしょうか(as she was telling and trying…)。
3. 赤アンダーラインは、she told me that she had~midddayの伝達部(that節)が前に出てきた、O S V O 第4文型前置ですね。
4. 緑のandが繋いでるものは、foundとbrought
5. オレンジのitが指しているものは、some mutton and bread。muttonとbreadがセットで一つの食事という意識があるから、themじゃなくてitなんでしょうね。
6. ピンクのカッコの中に入る一語(名詞)は、fear。「for fear of~」(~をおそれて/~しないように)
7. 茶色のever and againの意味は「ときどき」。≒(every) now and then≒off and on≒occasionally≒sometimes≒once in while などなど。
8. 灰色のout ofの意味は、「~を脱して」。「darkly out of the darkness」というのは、早朝になって、真っ暗な状態から少しずつ見える状態に移ってきたことを言っているわけです。
9. 青のasの先行詞は、blackened and haggard。関係代名詞のas/whichは文や形容詞も先行詞として取れるんでしたね。

全訳

これがミッちゃんから少しずつ聞いた話だ。話したり、見たものを説明したりしているうち、ミッちゃんは冷静になっていった。真昼から何も食べていないと話の最初の方で言っていたので、わたしは食料貯蔵室でマトンとパンを見つけ、部屋に持ってきた。火星人をおびき寄せるのを恐れ、ランプはつけなかった。時折、パンやマトンを取ろうとしてわたしたち2人の手が当たったりした。ミッちゃんが話しているうちに、暗闇にとけていた身の回りのものがぼんやりと見えるようになってきた。屋外で低木やバラの木は踏み荒らされたり折られたりしていたが、だんだんその形が見えてきた。たくさんの人や動物が芝生を走り抜けていったようだった。ミッちゃんの顔が見えてくると、暗くやつれているのがわかった。そして間違いなくわたしの顔もそうだっただろう。

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

実はグラフ作るの楽しくてまだまだたくさん作ってたんだがな。

デナリス
デナリス

共通テストにありそうなグラフね。

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