『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第12章 第12・13段落
問題編
Several farm waggons* and carts* were moving creakily* along the road to Addlestone, and suddenly through the gate of a field we saw, across a stretch* of flat meadow*, six twelve-pounders* standing neatly* at equal distances pointing towards Woking. The gunners stood by the guns waiting, and the ammunition* waggons were at a business-like* distance. The men stood almost as if under inspection*.
“That’s good!” said I. “They will get one fair shot, at any rate*.”
The artilleryman hesitated at the gate.
“I shall go on,” she said.
waggon四輪馬車 cart二輪馬車 creakilyきしんで stretch一続き meadow牧草地 twelve-pounders12ポンド-6cwt砲 neatlyきちんと ammunition弾薬 business-like効率的な inspection監察 at any rate少なくとも
1. オレンジのandが繋いでるものは?
2. 青アンダーラインで省略されているSVを復元すると?
3. 赤のtheyが指しているものは?

こちらが馬車の一種「waggon」(写真は貨車部分のみ)よ。
四輪の大きな馬車ね。


「cart」は今まで何回か出てきてる通り、二輪馬車だわ。


そしてマップを再掲しておきますよ。
火星人はいまはロボットとともにHorsell Commonで野営してるんでしたね。


「twelve-pounders」っていうのは、ちょうどこのごろRHA(Royal Horse Artillery)でよく使われていたBL 12-pounder 6 cwt gun(BL12ポンド砲)を指しているよ。第166話でも少し触れたけど…。
重さ12ポンドの砲弾を打ち出すから12ポンド砲って言うんだ。
「6 cwt」っていうのは、12ポンド砲にもいろいろあるから、区別するための型番みたいなもんだと思っておけば大丈夫かなぁ。


イギリスはクレイジーなことに砲の名前に砲弾の重さをつけるよね!

だよなぁ。まじで。
この砲についてWikipediaの記事も充実してるんだが、それでは物足りなくなってきた。
幸いにも、オーストラリアのヴィクトリア州立図書館が、この砲についての詳細な一次資料をデジタルアーカイブしてくれている。以下のリンクから見てみようぜ。

あれ、502ページ…長すぎませんかね?

改訂されたものまで含めてるから、1冊あたりは100ページくらいだろう。砲のスペックはもちろんのこと、砲兵の動きや照準合わせの方法まで書かれていて、とても興味深い軍事資料だぜ!
いろいろ語りたいところだが、砲の射程表で我慢してやろう。上記資料311ページだな。1903年のデータだ。
(文字が縦になってるところがあるから、右側に回転させた画像も置いておくぜ)




「Range」(左から6列目)に注目してみるといいぜ。
最大射程は6000ヤード(≒5500m)。そのときの射出角度(Elevation)は18.24°、着弾角度(Angle of descent)は23.28°、着弾時間は22.90秒だから、相当曲射しているな。

まあ、そもそもイングランドはずっと平地だから遮蔽物の心配はあんまりないけれどね。
それで、この地点を中心に半径5500mの円を描くと下図のようになるよ。ホーセル共有地や、各宇宙船は十分射程範囲内だ。


最後に、「ammunition waggon」は弾薬を積んでいる貨車のことですにゃ。もちろん馬車に連結して運びますにゃ。


解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
Several farm waggons* and carts* were moving creakily* (along the road to Addlestone), and (suddenly) (through the gate of a field) we saw, 《across a stretch* of flat meadow*》, six twelve-pounders* standing neatly* (at equal distances) 〈pointing towards Woking〉. The gunners stood (by the guns) (waiting), and the ammunition* waggons were (at a business-like* distance). The men stood almost 【as if under inspection*】.
“That’s good!” said I. “They will get one fair shot, (at any rate*).”
The artilleryman hesitated (at the gate).
“I shall go on,” she said.
1. オレンジのandが繋いでるものは、前後のSV。
2. 青アンダーラインで省略されているSVを復元すると、as if they were under inspectionですね。
3. 赤のtheyは火星人のことです。
全訳
農家の四輪・二輪馬車が数台、きしきしと言いながらアドレストンへの道を進んでいった。すると突然、畑の入り口のところで、平らな牧草地が続いている先に6門の12ポンド砲がきちんと等距離で並んでいるのが目に入った。砲はウォーキングの方に向けられていた。砲のそばに立っている砲手は待機中で、弾薬が積まれた貨車は効率が良いところに配置されていた。砲兵たちはまるで閲兵中であるかのように直立していた。
「いいな!」「少なくとも1発は有効打になりそうだ」とわたしが言った。
ミッちゃんは畑の入り口のところにためらいがちに立っていて、「もう行かないか」とせかしてきた。

そうそう、「the gate of a field」ってのは、こういう畑の柵の出入り口のことだ。



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