『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第12章 第8段落
問題編
After a time we drew near the road, and as we did so we heard the clatter* of hoofs* and saw through the tree stems* three cavalry* soldiers riding slowly towards Woking. We hailed* them, and they halted* while we hurried towards them. It was a lieutenant* and a couple of privates* of the 8th Hussars*, with a stand like a theodolite*, which the artilleryman told me it was a heliograph.
clatterカタカタという音 hoofひづめ stem幹 cavalry騎兵 hail大声で呼ぶ halt止まる lieutenant中尉 privates兵卒 hussars騎兵隊 theodoliteセオドライト heliographヘリオグラフ
1. オレンジのandが繋いでるものは?
2. 青アンダーラインの部分で、一語不要な単語は?

「8th (The King’s Royal Irish) Hussars」は1693年から存在する歴史ある騎兵隊よ。
クリミア戦争・ボーア戦争・第一次/二次世界大戦・朝鮮戦争と、大規模戦争でたびたび活躍してきたわ。


上写真は第108.5話でも登場したけど、クリミア戦争の大激戦「バラクラヴァの戦い」でのシーンにゃ。イギリス軍は激しい砲火にさらされながら、騎兵突撃(The charge of the Light Brigade)を敢行して戦果を挙げたのにゃ。
第108話あたりで出てきた「Cardigan Regiment」(11th Hussars)は上記イラストの突撃列2段目で、「8th Hussars」は突撃列3段目にいるにゃ。



第1次世界大戦まで8th Hussarsは文字通り「騎兵」だったんだけど、機械化されて、第2次世界大戦では7th, 11th Hussarsとかと一緒に、第7装甲部隊(通称「Desert Rat」)になってるよ! 軽戦車や巡航戦車を使って、北アメリカ戦線・ヨーロッパ戦線で戦ったんだ!
左写真のスチュアート(アメリカの軽戦車)、右写真のクロムウェル(イギリスの巡航戦車)とかを使ったんだよ!

北アメリカ戦線…
うっ頭が。

あれはドゥーチェが悪いんじゃん。
ともあれ、朝鮮戦争ではセンチュリオンも使ってたよ!


センチュリオンばっかり。まあいいんだが。(とゆーか朝鮮戦争にイギリスもいたんだな)
最後に少し補足しておくと、第二次大戦で8th Hussarsはこうして戦車を中心に運用されてたけど、11th Hussarsの方は装甲車が中心だったみたいだな(もちろん最後の方は戦車も配備されていただろうが)。以下の写真(1940年、エジプト)を参照。


そして「lieutenant」は大丈夫だろう。「中尉」だ。
「private」はいままで出てきてこなかったが、士官ではない兵士のことだ。映画「プライベート・ライアン」は有名だよな。
ちなみに小説中のわたしも「private」の方だ。


いちおう、1908年の陸軍軍事名簿も見ておこうかしら。


8th Hussarsは大隊/連隊クラスですから、たしかにトップとして大佐(colonel)と中佐(lieutenant colonel)が1人ずついますね!
そして「Lieutenants」(中尉)は小隊長くらいですから、11人もいますね。

つづいて名前も見た目も中二病っぽい器械「セオドライト」(theodolite)と「ヘリオグラフ」(heliograph)だ。
まずセオドライトはこちら。目標点までの角度を測る器具だな。わりと昔からあるぞ。


ヘリオグラフはこんな感じ!
まさに19世紀後半になって活躍し始めた、信号を送る通信装置だよ!
太陽光を鏡で反射させて、モールス信号的にチカチカさせて送るんだね!
太陽光を使うから、結構遠くまで信号が届くよ!


ちょうど1900年ごろ軍事用によく使われていたんだが、小説中でリッちゃんが知らなかったのも仕方ないかな。
ヘリオグラフの詳しい説明は以下の動画を見てくれ。
解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
(After a time) we drew near the road, and 【as we did so】 we heard the clatter* of hoofs* and saw (through the tree stems*) three cavalry* soldiers riding slowly towards Woking. We hailed* them, and they halted* 【while we hurried towards them】. It was a lieutenant* and a couple of privates* of the 8th Hussars*, (with a stand like a theodolite*), which 《the artilleryman told me》 it was a heliograph.
1. オレンジのandが繋いでるものは、heardとsaw。
2. 青アンダーラインの部分で、一語不要な単語はit。which以下は入試用語では「連鎖関係代名詞」って言われるやつですね。ぶっちゃけただの挿入だ。
全訳
しばらくのち、道路に近づいていった。そうしていると馬のひづめの音が聞こえてきて、木の幹の隙間から見ると、3人の騎兵が馬に乗ってゆっくりとウォーキングへ向かっていた。わたしたちは大声で呼び止めて、その人たちのもとへ急いで向かった。その間彼らは止まってくれた。この3名は第8騎兵連隊所属で、1名が中尉、2名が兵卒だった。中尉らはセオドライトのような台を持っており、ミッちゃんがこれはヘリオグラフだと教えてくれた。

なぁ、この第8騎兵連隊の3人はこっちの会話編に出てこないのか?

今後ワンチャン出すかもだけど、すまん。ちょっと時間がなかった。


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