『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
XIV. IN LONDON.
第14章 ロンドンのお話です!
第14章 第1段落
さいごの一人

はじめまして!
ロンドンで医学生をしております、妹の方のウェストリッジです。
第14章などいくつかの章ではお姉ちゃんに代わって主人公となりますので、よろしくおねがいしますね。

ということで、わたしの妹だ。よろしく頼む。ちなみに『宇宙戦争』原作では弟だがな。
どっちも苗字がウェストリッジだと紛らわしいから、吹き出しの名前欄のところには名前を書いておいたぞ。わたしはマホール、妹の方はミホヴィルだ。

これでやっとGuP隊長10人(会話編に登場する人たち)そろったかな?
第13章までの振り返り

『宇宙戦争』は、「叙事詩」的なSF小説なんだ。すなわち、登場人物ひとりひとりの深い内面を描くというよりは、イギリス全体のパニックを描くものとなっているよ。
主要キャラクターに名前がついていないのも、個人の特性を消して、普遍的な存在としての人間を表したいからだろうね。
だからこそ、別の世界線からきたわたしたちが物語に入り込んでも、そこまで違和感は生じないっていうわけだ。

だな。だから登場人物の心情がどう変化して…というのを追っかけるものじゃない。

ま、それでも、ある程度の登場人物の動きはあるわよね。登場人物の13章終了時点での様子は述べておこうかしら。
わたし(タージルム)はリッちゃん(姉の方)の奥さん。火星人から避難してLeatherheadにいるということになっているけど、小説中で長らくわたしの消息は明らかにならないわ。

つぎにわたし、姉の方のウェストリッジは、助任司祭のリューちゃん(アンドリューシャちゃん)と一緒に、Halliford(Weybridgeから少しテムズ川を下ったところ)から北方に歩いていこうとしているとこだ。

わたし(ミーカライネン)はリッちゃんとWeybridge付近ではぐれてしまっている。
わたしは死んでるのか、それともまだ生きているのか、詳細は下巻に入ってからだ。
問題編

わたしの話になるので、ちょっと時系列が戻りますね。
My younger sister was in London when the Martians fell at Woking. She was a medical student working for an imminent* examination, and she heard nothing of the arrival until Saturday morning. The morning papers on Saturday contained, in addition to lengthy* special articles on the planet Mars, on life in the planets, and so forth*, a brief and vaguely worded telegram, all the more striking for its brevity*.
imminent差し迫った lengthy(<length+y)冗長な and so forth~など brevity (<brief)短さ
1. 青アンダーラインの訳は?

金曜日に火星人の1つ目の宇宙船が開いて、大殺戮が起きたんだったね!
土曜日にリッちゃん(姉)はターちゃんをレザーヘッドに送り届けて、自宅に戻ったよ。
そして日曜日にリッちゃんはウェイブリッジ方面へミッちゃんと行ったんだよね。
第13章終了時は日曜日の夕方だよ!
解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
My younger sister was (in London) 【when the Martians fell (at Woking)】. She was a medical student 〈working for an imminent* examination〉, and she heard nothing of the arrival (until Saturday morning). The morning papers on Saturday contained, in addition to lengthy* special articles on the planet Mars, on life in the planets, and so forth*, a brief and vaguely worded telegram, all the more striking for its brevity*.
1. 青アンダーラインの訳は、カンマのところに「would be」とかが入ると思っておきましょう。「all the more~for[because]…」は「…の分いっそう~」という熟語ですね。
全訳
わたしの妹はウォーキングに火星軍が着陸した時、ロンドンにいた。妹は医学生で、まもなくやってくる試験の勉強に忙しく、火星人が着陸したことを土曜日の朝まで耳にしていなかった。土曜の朝刊にはそのことが書いてあったが、おまけに火星やその生命などについてだらだら書き連ねた特集も組まれていた。はっきりしない文言であっても簡潔な電報の方が、その短さの分はるかに衝撃的だったはずだ。


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