『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第14章 第13段落

今回から、会話編で解説する単語を赤文字にしてみました。
問題編
About five o’clock the gathering crowd in the station was immensely* excited by the opening of the line of communication, which is almost invariably* closed, between the South-Eastern and the South-Western stations, and the passage of carriage trucks bearing huge guns and carriages crammed* ( ) soldiers. These were the guns that were brought up from Woolwich and Chatham to cover Kingston. There was an exchange of pleasantries*: “You’ll get eaten!” “We’re the beast-tamers*!” and so forth*. A little while after that a squad* of police came into the station and began to clear the public ( ) the platforms, and my sister went out into the street again.
immensely非常に invariably(<in+vary+ible+ly)常に cram詰め込む pleasantry(<pleasant)おどけた発言・冗談 beast-tamer猛獣使い and so forthなど a squad of~隊・団
1. 赤のandが繋いでいるものは?
2. 紫のbearの意味は?
3. 青のandが繋いでいるものは?
4. 緑のカッコ内に入る前置詞一語は?
5. 茶色のandが繋いでいるものは?
6. ピンクのカッコ内に入る前置詞一語は?
7. 青アンダーラインの主語と動詞は?
South-Eastern and the South-Western

South-Western と South-Easternはどっちも、鉄道会社のことだね!

その名の通り、ロンドンから南西に伸びていく路線(~サウサンプトンなど)と、ロンドンから南東に伸びていく路線(~ドーバーなど)となっています。
以下の画像は1922年の路線図です。



以下のサイトで詳しい路線図が見れるにゃ。
https://www.railmaponline.com/UKIEMap.php
スクショしてみたらこんな感じにゃ。水色がSouth-Western、オレンジ色がSouth-Westernにゃ。

the guns~brought up from Woolwich and Chatham to cover Kingston

ウーリッチ(Woolwich)とチャットハム(Chatham)からキングストンに大砲が輸送されたということは、ウーリッチとチャットハムに陸軍基地・兵営があったという意味だ。
なおキングストンはイギリス軍の第1次防衛線が築かれている町だったな(第229話)。
まずは、これらの町の大まかな位置を地図で見てみよう。


ウーリッチは初めは海軍都市として16世紀から発展しはじめたの。その後は、1716年に王立砲兵隊(Royal Artillery)の本部が置かれたり(~2003年)、1741年に王立陸軍士官学校(Royal Military Academy)が設置されたり(~1939年)と、1900年ごろには一大陸軍都市として発展していたわ。


ちなみに、王立砲兵隊の兵営(Royal Artillery Barracks)は、以下の画像の通りとても巨大なことで有名だぜ。2007年に使われなくなっちゃったけどな。


この建物の横幅は329mもあるんですって。
戦艦大和(全長250mちょっと)より長いですね!


アメリカ軍の最新鋭空母(2024年)のジェネラル・R・フォード級(全長330~340m)とほぼ同じだね!


どれも学園艦と比べたら金魚みたいなもんじゃない。

あんなのと比べるな。あんなのと。

それじゃ、次に行くよ。
チャットハムは、テムズ川より少し南、メドウェイ(Medway)川の河口に位置する町だね。
こちらも海軍・陸軍両方の軍事都市だ。1900年でも大きな海軍工廠(ドックヤード)(人工物だからOS地図では描かれていない。実際は以下の青色の部分)があるし、大きな兵営もある。
そして、1856年から21世紀までずっと、王立工兵隊(Royal Engineers)が本拠地を置いているんだ(1716~1856は砲兵隊と同じくウーリッチが本拠地)。


ともあれ、ウーリッチとチャットハムはどっちも、以前出て来たオールダーショット(Aldershot)(第108.5話)並みの軍事都市ってことがわかるわね。
beast-tamer(小ネタ)

なによ。「beast-tamer」をWeblio(ネット英和辞典)で検索したらこんな結果が出て来たじゃない。


さすがに草。ラノベは嫌いじゃないけど。

Weblioは意味が豊富なのはいいんだけど、たまにおっちょこちょいするわよね。

beast-tamerは「獣使い」「猛獣使い」あたりかしら。

「獣使い」もなろう系タイトルに含まれてそうだけどな。

「獣使い」って検索しただけでもいっぱいでてきたわよ。
・幼馴染のS級パーティーから追放された聖獣使い。万能支援魔法と仲間を増やして最強へ!
・世界最強の神獣使い
・後宮の獣使い 1 ~獣をモフモフしたいだけなので、皇太子の溺愛は困ります~

世界は広いぜ…
解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
(About five o’clock) the gathering crowd in the station was (immensely*) excited (by [the opening of the line of communication, 《which is almost invariably* closed》, between the South-Eastern and the South-Western stations], and [the passage of carriage trucks bearing huge guns and carriages crammed* with soldiers]). These were the guns 〔that were brought up (from Woolwich and Chatham) (to cover Kingston). There was an exchange of pleasantries*: “You’ll get eaten!” “We’re the beast-tamers*!” and so forth*. (A little while after that) a squad* of police came into the station and began to clear the public off the platforms, and my sister went out into the street again.
1. 赤のandが繋いでいるものは、the opening…とthe passage…。excited byに繋がっていますね。
2. 紫のbearの意味は「運ぶ」あたり。bearは多義語ですけど、けっこう文脈で意味がわかりますよね。
3. 青のandが繋いでいるものは、carriage trucksとcarriages。
4. 緑のカッコ内に入る前置詞一語は、with。cram A with BでAにBを詰め込むですね。supply A with Bの仲間と覚えれば記憶しやすいです。cram our students with facts(生徒に知識を詰め込む)とかです。
5. 茶色のandが繋いでいるものは、cameとbegan。
6. ピンクのカッコ内に入る前置詞一語はoffまたはfrom。原文ではoffでしたが21世紀ではfromがメインだと思います。clear A from[out of] BでBからAを退去させるですね。なお、clear A of BはAからBを取り除くという意味になります。clearの後には場所も物も来れるんですね。微妙に違うので気をつけましょう。
7. 青アンダーラインの主語はa squad of police,動詞はcameとbeganです。
全訳
午後5時ごろには、駅に集まっていた群衆は激しく興奮していた。ほぼ使えないとはいえ、サウス・イースタン鉄道とサウス・ウェスタン鉄道の駅の間で電信が繋がるようになったし、巨大な大砲が乗っていたり、兵士がぎゅうぎゅうに乗り込んでいたりする列車が通過していったからだ。この大砲は、キングストンを防衛するためにウーリッチとチャットハムから輸送された。
おどけたやり取りをしている人たちもいた。「お前、食われるぞ!」「なぁに。逆に飼いならしてやるさ!」とか。その少し後、警官隊が駅に入ってきて、群衆をホームから排除していった。妹はまた道路に出て行った。

そうそう、言い忘れてたが、大砲や兵士を詰め込んだ「carriage trucks」「carriages」は列車(trucksは貨車、carriagesは人が乗るための列車)のことだからな。馬車とかトラックじゃねーぞ。


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