『宇宙戦争』の和訳・英文法解説です。
<流れ>
①かっこを振っていない英文
②単語注(①でアスタリスクを振ったところ)
③設問
④かっこを振った英文
⑤設問の答え
⑥訳
第2章 第3段落

イギリス常識って難しいな。

とりま、「common」ってなんだ?

訳語としては「共有地」かしら。イングランドにおいて、平民が共同で管理してた土地。大きな森林・公園みたいなものを想像すればいいかもね。もともと貴族の荘園だったし。



今回の舞台「Horsell Common」は、21世紀の技術を使うとこんな感じ。
左下がWoking、右上がOttershaw。
家のサイズとかと比較すると、Horsell Commonの広さが分かるかな。

さて、ようやく問題編に入るが、一つだけ注釈を。
以下の文で「Find it she did」とあるけど、普通の倒置じゃないな。ここは「She did find it」の変な倒置だと解釈しておこうか。
問題編
But very early in the morning poor Ogilvina, who had seen the shooting star and who was persuaded* that a meteorite lay somewhere on the common* between Horsell, Ottershaw, and Woking, rose early with the idea of finding it. Find it she did, soon after dawn, and not far from the sand-pits*. An enormous hole had been made by the impact of the projectile*, and the sand and gravel* had been flung* violently ( ) every direction over the heath*, forming heaps* visible ( mile / half / a / and ) away. The heather* was on fire eastward, and a thin blue smoke rose against* the dawn.
be persuaded that~を信じる common共有地(上の解説参照) sand-pit砂場 projectile発射体(≒missile) gravel砂利 flung(<fling過去分詞)投げつける heathヒース(が咲く野原) heap山 heatherヘザー(が咲く野原) against背景として
1. 青マーカーの文型表示は?
2. 赤のandが繋いでるものは?
3. 緑のandが繋いでるものは?
4. オレンジのandが繋いでるものは?
5. 紫のかっこの中に入ると思われる前置詞1語は?
6. 赤アンダーラインの部分が「1.5マイル」となるように、1語追加して、カッコ内の単語を並び替えよ。
解答編

本文中の「sand-pit」は共有地の中にある砂地だ。しっかりGoogle Earthにも載ってるな。
「sand-pit」のところに宇宙船が着陸して、できたクレーター的なやつが「pit」。




上の写真がsand-pitの様子。Horsell Commonは基本的には森林・低木地帯なんだけど、ここだけ少し開けた砂地ね。

あ、区別して覚えておいてほしいんだが、「sand-pit」は火星人が着陸したこの砂地地帯のこと。後々出てくる「pit」は宇宙船着陸の衝撃でできたクレーター・穴のこと(この段落では「An enormous hole by the impact」って書いてる)。今後しょっちゅう出てくるから、しっかり理解しておいてくれ。

ともあれこの周りに、低木のヒースやヘザーが咲く野原が広がってるのよ。
(下の写真はたぶんHorsell Commonとは関係ないけど)


そうそう、heath(ヒース)とheather(ヘザー)ってerの部分しか変わんないのに、なんで発音違うんだ。

…heathとheatherはそもそもべつの種類の植物。heathはエリカ属、heatherはカルーナ属。
ほら、葉の形も違うでしょ? 左のheathは針状、右のheatherは平らな形。



ふっ、「エリカ」といえばドイツ軍歌(恋愛ソング)だな。
(あとわたしのとこの副隊長の名前だし。)
YouTubeのドイツ軍歌はすぐに抹消される運命にあるから、ニコニコから持って来ておいたぞ。

ドイツ語でエリカ(Erika)はエリカ属の花(heathなど)のことを指すと同時に女性名でもあるよな。軍歌ではこの2つの意味が掛けられてるんだ。
ちなみにドイツ語でheath(の咲く荒地)は「Heide」(ハイデ)と言う。高校地理で習った人もいるんじゃないか?「エリカ」の歌いだしにも「Auf der Heide…」(≒Above the heath)と歌われている。
ともあれ、イギリスやドイツの荒地の代名詞になるくらい、北ヨーロッパでは象徴的な植物ってことだ。
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
But (very early in the morning) poor Ogilvina, 〔who had seen the shooting star〕 and 〔who was persuaded [that a meteorite lay somewhere (on the common*) (between Horsell, Ottershaw, and Woking)]〕, rose early (with the idea of finding it).
Find it she did, (soon after dawn), and (not far from the sand-pits*).
An enormous hole had been made (by the impact of the projectile*), and the sand and gravel* had been flung* violently in every direction over the heath*, (forming heaps* 〈visible a mile and a half away〉). The heather* was on fire eastward, and a thin blue smoke rose against* the dawn.
1. 青マーカーの文型表示は上の通り。カンマがあるから見えやすいかな。
2. 赤のandが繋いでるものは「soon…」と「not far…」の2つの副詞句。
3. 緑のandが繋いでるものは、前後の2つの文。
4. オレンジのandが繋いでるものはsandとgravel。
5. 紫のかっこの中に入ると思われる前置詞1語はin。方角につく前置詞は “in“
6. 赤アンダーラインの部分の追加並び替えは上の通り。mileの前はaでもoneでもOK。
「a mile and a half」=「one mile and a half」=「one and a half miles」。
1.5でも複数形になることに注意しましょう。
でもかわいそうなオギルヴィーナちゃんは流星を見て、ホーセル・オターシャウ・ウォーキングの間の共有地のどこかに隕石があると信じていた。だからオギルヴィーナちゃんは朝早くから隕石を見つけようと思って早起きした。そして夜明けのすぐ後、砂地から遠くはないところでそれを見つけたんだ。巨大な穴が宇宙船の激突によってつくられていた。ヒースが咲く野原のあたり一面に荒々しく砂利が散乱していて、1.5 マイル離れたところからも見える丘をつくっていた。ヘザーの丘は東方へ向かって燃えていて、細い青煙が夜明けの空を背景に立ち上っていた。

おい、なんだ「poor Ogilvina」って。
宇宙船見つけたわたしに失礼だぞ

・・・・・・

見つけなきゃ、あんなことにはならなかったのに。


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