『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第5章 第8段落

こんかいは海軍っぽいけど実は陸軍の旗信号の話だ(一番下)。
問題編
This was the Deputation*. There had been a hasty* consultation*, and since the Martians were evidently, in spite of their repulsive* forms, intelligent creatures, it had been resolved to* show them, by approaching them with signals, that we too were intelligent.
Deputation代表団 hasty早急な consultation協議 repulsive非常に不快な be resolved to決定する
1. オレンジのsince句/節はどこまで?
2. 青のitが指しているものは?
解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
This was the Deputation*. There had been a hasty* consultation, and 【since the Martians were evidently, 《in spite of their repulsive* forms》, intelligent creatures】, it had been resolved to* show them, 《by approaching them with signals》, [that we too were intelligent].
1. オレンジのsince句/節はcreaturesまで。そんなに難しくないですね。
2. 青のitが指しているものは「the Deputation」です。be resolvedが受動態で、itーtoの形式主語でitはto以下?かと思ったりもしますけども、ここではbe resolvedでまとまった動詞(「決定する」)として考えました。
全訳
これは「代表団」だった。早急な協議があったのだ。火星人はその不快な見た目にもかかわらず明らかに賢い生き物だった。だから、信号を出しながら近づくことで、わたしたちも同じく知的生命体だと火星人に示そうということを代表団は決定していた。

…いまは「a white flag」を持ってるって状況で、このすぐ後(次段落)には「Flutter, flutter, went the flag, first to the right, then to the left」という風にあったりするわ。
この描写から、最終文の「signals」(信号)っていったいどんな信号なのか考えてみましょ。

まあそりゃあ、旗信号よね。

だねー。

まず思い浮かぶのはこういう手旗信号だけど…
(19世紀には広く使われるようになってたはず)



うーん、知ってる通り手旗信号(英語ではflag semophore)は旗が2本必要なんだけど、いま持ってるのは「a white flag」だから旗1本なんだ。

じゃあ、「Z旗」とかの国際信号旗(International maritime signal flags)かしら?
これも昔から海軍とかで使用されてきた歴史ある旗信号よ。
(…Z旗に「決死の覚悟で戦え」的な意味があるのは日本だけだけど)




たしかに国際信号旗には旗一個一個に意味があるし、「本船は貴船との通信を求める」(K)(21世紀のウクライナ国旗を90度回転させたみたいなやつ)は使えるかもしれないね。
でも、ここ陸だし、次段落冒頭に「Flutter, flutter」(はためく、はためく)ってあるみたいに旗をわざわざ振る必要はないわ。

そうだな。いくら大英帝国だからってターちゃん、海軍からそろそろ離れたら?

うぐぐ。

…ということで、答えはたぶんこれ。wigwag。


え?なにこれ初見なんだけど

無理もないかな。1860年代にわれらがアメリカ陸軍で誕生して、南北戦争とかアメリカ海軍で使われたくらいだから。(20世紀は電気通信の時代になって陸上での旗信号は使われなくなってく)
この信号は簡単に言えば、1本のビッグな白旗(中心に模様が入ってるけど)を左右に振って信号を生成するもの。旗版のモールス信号(これもアメリカ)みたいなものだよ!
描写とぴったり一致するね!

…結局どんな方法とっても、火星人に伝わるわけないんだけどね。


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