『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第6章 第1段落 後半

長い第1段落の後半部だよ。
ここの第1文目の「these」は、火星人が放つ平行なレーザー光線のことだね。そのあとの「However it is done」のitは「火星人がわたしたちを一瞬で殲滅した出来事」ってしとこうかな。くわしくは前段落をCheck it out! はい!

真ん中あたりの「Heat, and invisible, instead of visible, light.」は、主語と動詞がないものとして考えてOKかな。a beam of heatの説明だからね。
問題編
But no one has absolutely proved* these details. However it is done, it is certain that a beam of heat is the essence* of the matter. Heat, and invisible, instead of visible, light. Whatever is combustible* flashes into flame at its touch, lead runs like water, it softens iron*, cracks* and melts* glass, and when it falls upon water, incontinently* that explodes into steam*.
prove証明する essence本質 combustible可燃性の・燃えやすい(≒flammable≒inflammable(inがつくのに逆の意味じゃないことに注意)) iron鉄 crack(ガラスなどに)ヒビを入れる melt溶かす incontinentlyただちに(≒immediately) steam蒸気
1. オレンジのitが指しているものは?
2. 紫のwhateverの節が終わるところは?
3. 茶色のits, itが指しているものは(すべて同じ)?
4. 赤のleadの意味は?
5. ピンクのandが繋いでるものは?

この小説は基本的にわたしの回想だから時制は過去形なんだけど、ここらへんをすべて現在形で書いてるのは、科学的な(=普遍的な)事実だからだな。
解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
But no one has (absolutely) proved* these details. 〔However it is done〕, it is certain [that a beam of heat is the essence* of the matter]. Heat, and invisible, 《instead of visible》, light. [Whatever is combustible*] flashes (into flame) (at its touch), lead runs (like water), it softens iron*, cracks* and melts* glass, and 【when it falls upon water】, (incontinently*) that explodes (into steam*).
1. オレンジのitはthat以下。というか普通のit is certain that構文ですね。it is certain thatのcertainはsureに書き換えられないということもわすれずに。
2. 紫のwhateverの節が終わるところは、combustibleです。たしかにcombustible flashes…という風に(combustibleが限定用法となって)続きそうに思えます。しばらく動詞がなくて、 赤のleadのあとにやっとrunsという動詞が出てきます。でも、このrunsはleadだけしか主語にはしなさそうです(意味的に、whateverもleadも主語なんてことはなさそう)。そうするとwhateverの主語がありません。
となると、whatever節はcombustibleで切って(叙述用法)、flashesが名詞ではなく動詞なんだなぁと思うしかありません。問題5.にもなっていますが、そうすると、4組のSVがピンクのandで繋がれてることになって文法上も問題なさそうです。
3. 茶色のits, itが指しているものは、火星人のレーザービーム(a beam of heat)ですね。
4. 赤のleadの意味は「鉛」。普通leadといえば動詞ですが、こちらは後ろにrunsという動詞があるので名詞。そうなると、意味的にも考えて名詞の「鉛」という訳がよさそうです。ちなみに鉛の方のleadの発音はカタカナで書くと「レッド」です。「リード」じゃないので。
5. ピンクのandが繋いでるものは、「Whatever…flashes…touch」、「lead runs like water」「it softens…glass」「when it falls…that explodes into steam」の4つのSVです。3文目だけはちょっとイレギュラーですが(it softens iron, and it cracks glass, and it melts glassという3文がまとまってる)。

…leadの問題は、鉛の融点が他の金属より低め(鉄が1500℃くらい、アルミが660℃くらいなのに対して鉛は320℃くらい)ってことを既に化学で習ってたら、「lead runs like water」(=融けている)ってことと繋がってわかりやすかったんじゃないかしら。

スズはさらに融点が低い(230℃くらい)し便利だから、青銅などに使われたんだったな。
大学受験で銅の合金は白銅(Cu+Ni)・黄銅(Cu+Zn)・青銅(Cu+Sn)をおぼえておこう。

ともあれ、鉛はそんな風に加工が容易だったり、耐久性もあったり(100年以上持つ)、質感がエレガントだったりするから、古代ローマから21世紀まで、ヨーロッパでは家の屋根に使われてるのよ。
ということで、この小説の場面では、ビームが遠くの家にも命中してるってことを表してるってわけね。鉄(iron)もガラス(glass)も、家に使われてるし。


「when it falls upon water」ってあるけど、ここHorsell Commonには下写真のような小さな池・水路も何個かあったことに注意してね。
ここに高出力レーザーが当たったらそりゃあ水蒸気爆発(explodes into steam)が起こるわなってかんじ。

全訳
でも、こんなふうに平行なビームを撃つ方法について、詳細を完全に証明できる人は誰もいない。火星人がどうやって瞬時に人々を殲滅できたにせよ、熱を持つレーザービームが本質だということは確かだ。熱があるのに、見えやしない光線なのだ。レーザーが当たると可燃性のものはなんでも閃光を放って炎を上げる。鉛は水のように流れる。レーザーは鉄を柔らかくし、ガラスにヒビを入れて溶かす。レーザーが水に照射されると、ただちに爆発して蒸気となるのだ。

2か所ある「into」はどちらも「変化のinto」だな。


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