『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第6章 第4段落
問題編
As yet, of course, few people in Woking even knew that the cylinder had opened, though poor Hensley had sent a messenger on a bicycle to the ( ) with a special wire* to an evening paper.
wire電報・電信
1. オレンジの as yet の意味は?
2. 赤アンダーラインの訳は?
3. 赤の中に入りそうな施設名は次のうちどれ?【 police station / post office / City Hall / library 】

さーて、wire=telegraph=電報・電信 について。

基本的に、電線を使って電気でメッセージを送るシステムだ。
(下は1907年の電報)


…そういう電報システム(Electrical Telegraphy)はイギリスでは19世紀に本格的にはじまったの。

そそ。そしてわたしたちイギリスは強大な海軍力・広大な植民地を背景に、19世紀後半、電信を伝える海底ケーブルを世界各地に敷設していったのよ。下図をみると、このころの世界の海底電信ケーブルの半分以上はイギリスのものってわかるわね。世界の覇権を握ってる証拠よ。


1840年ごろにイギリスで世界初の商業電信サービスが始まってから、民間の電報会社がいくつか出てきたけど、1870年に電信会社はすべて国有化されて、電信が国営郵便局の管轄になったわ。

その国営郵便局は「General Post Office」(GPO)って言うわ。このころ、イギリスの郵便局は国営企業ってことに注意ね(21世紀になって民営化)。
電信も手紙と同じく通信業務ということで、郵便局の業務になったのよ。

そうそう、そして基本的に、駅に郵便局が置かれて電信サービスを提供していたんだ。鉄道線路沿いに電線が建てられたし。
だから、この段落みたいに「Hensley had sent … to the post office with a special wire」って直接書かれてることもあるけど、第30話みたいに「Hensley went into the railway station at once, in order to telegraph」って書かれることもあるってわけだ。



上の2枚は、電信を送信する機械だね。
左が、「Cooke and Wheatstone telegraph」という電信機械。電気によって針が動いて、直接文字を指し示すっていうなんかすごいやつだよ!
右がモールス信号(アメリカ発)を使った電信機。トン/ツーで送るやつだね。これはわかるかな。


こんな風に、オフィスで電信機械に向かって大量に電報の送受信を行ってたのだ。

ともあれ、こういう電報の発達によって、わたしたちジャーナリストは瞬時に本局に情報を伝えられるようになったんだよ!
解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
As yet, 《of course》, few people 〈in Woking〉 even knew [that the cylinder had opened], 【though poor Hensley had sent a messenger 〈on a bicycle〉 〈to the post office〉 〈with a special wire* to an evening paper〉.
1. オレンジの as yet の意味は「まだ」。as yetはだいたい否定文で使われます。文頭・文中・文尾など、比較的自由に配置できる気がします。
2. 赤アンダーラインの部分は、fewが準否定語「ほとんど~ない」というのに注意しましょう。訳すときは否定語を後ろに。
3. 赤の中に入りそうな施設名はpost officeです。電報を打つのは郵便局というのは上の解説に述べた通り。
全訳
かわいそうなヘンスリーさんが、夕刊のための特別な電報を持たせて、郵便局へ自転車に乗った連絡員を派遣したのに、もちろんまだ、円筒が開いたことすら知らないウォーキングの住民がほとんどだった。

cylinder(円筒)が火星人の宇宙船だってことは今更言わなくてもいいよな?


コメント