Girls & Martians 第90話 「列車が走る平和な光景です!」  【宇宙戦争 全訳】【入試 英文法 問題】

GuP_宇宙戦争_段落ごと

本シリーズは『宇宙戦争』を詳細に読解し、当時の時代情勢を読み解くことを目的としています。
実験的な試みとして、一部の登場人物の名前と代名詞を書き換えていますが、その他の単語や文章は変更しておりません。

『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。


第7章 第6段落

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

やや、「caterpillar」(キャタピラ)って言葉があるぞ。
間違いない。この言葉は戦車でしか見ないぞ。無限軌道だな。

ヘンスリー
ヘンスリー

えっと、ごめん、「イモムシ」って意味もあるんだよ

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

…一気にランク下がったなぁ

ウェストリッジ
ウェストリッジ

無限軌道のつなぎ目みたいなとこがイモムシの体節に見えるから、戦車のキャタピラーもそういう名前になったってことらしいぞ。

ウェストリッジ
ウェストリッジ

ともあれ気を取り直して地名コーナーだ。
わたしはいまピンクの道を自宅(紫色)まで逃げてて、Monument Bridge(青色)を渡ったところ。今回出てくるのは「Maybury arch」(オレンジ色)と「Oriental Terrace」(茶色)だ。

ステファニー
ステファニー

「Maybury arch」(メイベリー橋)は固有名詞じゃないんだけど特定はできるわ。
本段落を見ると「Maybury arch」の上を鉄道(ロンドンから来てる)が走ってるってことだから、「Maybury arch」は上図で逃走ルート(ピンク)と線路(黄色)の交点のはず。
そう思って21世紀のストリートビューを見ると、たしかに立体交差して「arch」(橋)がかかってるわ。イギリスだし、100年くらい前もきっとこんな風だったはずよね。

タージルム
タージルム

つづいて「Oriental Terrace」は上の地図では茶色で表されてる建物。21世紀でも現存してる建物ね。ちょっと横に長い建物よ。「Oriental Palace」とか「Oriental Parade」とも言われたらしいわ。いったい何の建物なのかは謎だけど、きっと集合住宅みたいなものなのかしら?
https://www.geograph.org.uk/photo/6558009

ウェストリッジ
ウェストリッジ

本文に書いてる通り、小さな数個のgable(切妻・破風)(下写真赤色)が特徴だ。

デナリス
デナリス

…そうそう、いままで書き忘れてたけど、『宇宙戦争』に出てるWokingの地理については、以下のようなサイト(パンフレット)が参考になるよ。
全部英語だけど、このサイトには書いてない情報が書いてるかも。
https://wokinghistory.org/onewebmedia/Book%20WOTW%20Guide%201.pdf

https://wokinghistory.org/onewebmedia/Book%20WOTW%20Guide%202.pdf

https://wellsinwoking.org.uk/Docs/heritagetrail.pdf

タージルム
タージルム

サイトのドメインすごくニッチね(「Wokingの歴史」「WokingのH・G・Wells」…これ限定のサイトって…)

問題編

Over the Maybury arch* a train, a billowing* tumult* of white, firelit* smoke, and a long caterpillar* of lighted* windows, went flying* south—clatter*, clatter, clap*, rap*, and it had gone. A dim* group of people talked in the gate of one of the houses in the pretty little row* of gables* that was called Oriental Terrace. It was all so real and so familiar*. And that behind me! It was frantic*, fantastic*! Such things, I told myself, could not be.

arch橋 billow巻きあがる tumult騒動・激しく巻き起こること firelit火で照らされた caterpillarイモムシのようなもの lighted明るい fly飛ぶように走る clatterガタンガタン鳴る音(a rattling sound) clap突然のうるさい音(主に雷の音)(a loud percussive noise) rapコツコツ叩く音(a sharp knock) dim輪郭がぼんやりしない row列 gable切妻・破風(上の写真参照) familiar見慣れた frantic狂った fantastic現実離れした 

1. 赤アンダーラインの文型表示は?
2. 青のandが繋いでるものは?
3. 紫のitが指してるものは?
4. 青アンダーラインで省略されていると考えられる語句は? 
5. オレンジのthat / it / Such thingsが指しているものは?(この3つほぼ同じ)

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

なあ。
第1文、「train」を「tank」に変えて、「of lighted* windows」を消したら、戦車がかっこよく走ってるシーンになるって思わないか?

デナリス
デナリス

…そーだけど。
…というか、そもそも、陸輸において戦車は鉄道が主な運送手段じゃない。
(だから鉄道のままでもそこに戦車が乗ってるって思えば十分)

タージルム
タージルム

そうね。鉄道なら一気に何十両か運べるわね。何より、走行するだけで戦車は道路を破壊するわ。戦車はどんな悪路でも走破できるけど、どんな道も悪路にしちゃうの。だから鉄道以外に運びようがないのよ。以下の写真は、WWⅠでイギリスのマークⅣ戦車(女の子)が貨車に乗って運ばれようとしてるとこね。

https://www.keymilitary.com/article/tanks-train
デナリス
デナリス

…21世紀の陸上自衛隊でも相変わらず問題になってるけど、「戦車が幅広すぎて鉄道で運ぶには幅が足りない」って問題は当初からずっと絶えなかったみたい。
事実、上のマーク戦車(戦闘時は側面に武装が突き出てる)だって、武装が収納されてるし。

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

はいはい。わかったわかった。
もう列車砲でいいぜ。
というかこっちの方がロマン兵器だ。

ヘンスリー
ヘンスリー

戦車がないんだから列車砲もないよって言いたいけど、もうとっくに1900年には列車砲はあったんだよね。アメリカ南北戦争でも使われてたんだよ!

ウェストリッジ
ウェストリッジ

ドイツは列車砲など、巨砲先進国だったのだっ。
第1次大戦では100km以上遠くからパリを超遠距離砲撃したし。

ステファニー
ステファニー

残念でした
パリは神風で護られて砲弾は命中しませんでしたとさ

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

コリオリの力だろ

ウェストリッジ
ウェストリッジ

…ともあれ、話が(鉄道だけに)脱線したけど、鉄道は軍事的にも価値が高いものなんだよってことを覚えてもらったらOKだ。

ヘンスリー
ヘンスリー

『宇宙戦争』のIF戦史を書くんだったら、鉄道をしっかり使っていかないとね。

解答編

(Over the Maybury arch*) a trainS1, a billowing* tumultS2* 〈of white, firelit* smoke〉, and a long caterpillarS3* 〈of lighted* windows〉, wentV flying* south《—clatter*, clatter, clap*, rap*》, and it had gone. A dim* group of people talked (in the gate of one of the houses) (in the pretty little row* of gables*) 〔that was called Oriental Terrace〕. It was all so real and so familiar*. And that behind me! It was frantic*, fantastic*! Such things, 《I told myself》, could not be.

1. 赤アンダーラインの文型表示は上の通り。Overをarchで閉じるってとこと、wentが動詞ってのがちょっと見づらいですね。
2. 青のandが繋いでるものは、一応文法上は、a train, a tumult, a caterpillarでしょうけど、訳すときは、a train went flying southをメインにして、a billowing tumult~ of lighted windowsが挿入されてるみたいにしてあげるといいかもしれません。
3. 紫のitが指してるものは、「a train」ですね。
4. 青アンダーラインでは、beのあとに「real」とかが省略されてると考えましょう。前文で「狂ってる、現実離れした」って書いてるわけですから、青アンダーラインも「ありえない」ってなるはずです。
5. オレンジのthat / it / Such thingsが指しているものは、「behind me」をヒントにして、ホーセル共有地で見た大惨事ですね。その大虐殺(→frantic, fantastic)と、オリエンタル・テラスの前で話してる人々が「so real and so familiar」である様子が対比されてるわけです。

全訳

炎で照らされた白煙を激しく噴き上げ、明るい窓を芋虫のように長く連ねながら、メイベリー橋の上を蒸気機関車が南へ爆走していった。ガタン、ゴトン、ドンドン、ガンガン、と。そして去っていった。かわいい小さな切妻の下、オリエンタル・テラスと呼ばれていた集合住宅のひとつの門のところで、不明瞭な集団が言葉を交わしていた。すべてがとても現実的で見慣れたものだった。わたしが見てきた背後のものはいったい!狂って現実離れしたものだ!そんなものはありえない、そう自分に言い聞かせた。

オギルヴィーナ
オギルヴィーナ

間違っても「train」を「電車」って訳すなよ。この時代は蒸気機関車だ。だから「white, firelit smoke」(白く、炎に照らされた煙)を上げてるわけだな。
それと、「clatter, clatter, clap, rap」の英語はリズムよく韻を踏む感じだから、日本語もそうなるようにオノマトペ的に訳してあげるといいかもしれん。

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