『宇宙戦争』の全訳・英文法解説です。
第8章 第6段落

…そういえば、面白い文献見つけたよ。
わたしたちの解説にはない古写真を使ったりして、Wokingの地理に焦点を当てたものだね。
https://wokinghistory.org/articles/woking’s%20war%20of%20the%20worlds

あまりにも特定しすぎててびっくりしたわ…ただのパブの場所まで特定するなんて。
興味があったら読んでみると面白いわよ。

さて本文に入るけど…
…おや、この段落に「warship‘s searchlight」とあるじゃないか。

そうそう。1900年現在はほとんどの艦艇にサーチライトが搭載されてるんだよ。
もちろん、白熱電球製じゃなくてアークライト(第92話)だね!

サーチライトの主目的は、索敵ですよね。
海上で周りに照射することで、敵の艦船を探します。
当たり前ですが、なるべく高い位置に設置されています。



ただ、ライトを照射して探すってことは、逆に言えば光源が敵から丸見えになるってことだからね。位置が割れるからリスクがでかすぎるの。

それもあって、WWⅡでイギリス海軍では照明弾(star shell)を使うことが多かったみたい。
明かりを放つ弾を上空に打ち上げて、パラシュートでゆっくり降下させ、敵の位置を把握するの。これなら反撃の心配はないわ。


なお日本はWWⅡの間ずっと、サーチライトを広く使ってたんだ。レーダー技術も遅れてたし、謎の夜戦至上主義があったし。

おや。夜戦といえば、水雷戦隊の皆様の出番だな。
Trinity Noteさんの「夜戦スレイヤーがゆく」だいすき。
同じCD(Never Blue Plus)に入ってた「デッドエンドの傍観者」もかっこよかったぜ。

…そっちの方に話を逸らすと提督案件になって原作が変わっちゃうのでstop。
ま、日本も方向性を間違えてるっていう点ではドイツと一緒だ(もはや不要になりかけてたのに、ドイツは異様にでっかい巨砲・列車砲を作っちゃってた)…。

イギリスだって変な兵器いっぱい作ってるから別にいいじゃない。
ちょうどサーチライトを用いた謎兵器だってイギリスにあるわ。

たしかに、Canal Defence Light(CDL)っていう戦車があるわね(名前は敵を欺くためのダミーよ)。
サーチライトは目くらましになるっていう効果もあってね、イギリスは、戦車の砲の代わりにサーチライトを搭載した車輛を作って、夜戦で目くらましに使おうとしたの。


元車輛は当時旧式化していたマチルダ戦車が中心よ(上写真)。その砲を取り外して、砲塔内部に超強力アークライトを搭載。1300万カンデラの明かりで、前方1㎞弱が有効射程ね。
砲塔前部の縦のスリットから光をビームのように発射し、明滅させることで敵の視界を奪う効果を発揮するというものだったわ。
なお、ダミーの砲がついてるけど、戦闘能力はほぼ皆無なの。


上写真は、アメリカ原産のM3中戦車を改造したCanal Defence Lightだよ。
こっちは、主砲塔部分はダミー砲だけど、マチルダ改造CDLと違ってサブの武装は本物だから、戦えないものではなかったんだよ!

でも残念なことに、これらCDLはほとんど実戦では活躍しなかったのよね。
誰かフィクションの中だけでも活躍させてくれないかしら。
パンジャンドラムみたいに、記念式典で復活できるほど派手なものでもないし…。

よく考えれば、CDL、対火星人戦で使えるんじゃねぇか?
火星は地球より太陽から離れてるから、単純に距離から計算すれば、火星での日中の明るさは約45%程度(半分くらい)。火星には塵がしじゅう舞っているらしいから、火星人の視力はさらに悪そうだ。
ということは、火星人に強力なサーチライトを当てたら結構効くよな。

理論上はね。でも、火星人は野営陣地で夜でも煌々と明かりを焚いているっぽいから、どうやら夜襲で光を当てても目くらましの効果は薄そうよ。
まあ、囮としての役割なら期待できるんじゃないかな。光に反応する性質は高そうだしさ。
榴弾砲の位置換えの時間を稼ぐくらいならできるかも。
ともあれ、CDLについてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事がおすすめよ。
https://tanks-encyclopedia.com/canal-defence-light-cdl-tanks/
問題編
A curious crowd lingered* restlessly*, people coming and going but the crowd remaining, both on the Chobham and Horsell bridges. One or two adventurous* souls*, it was afterwards* found, went into the darkness and crawled* quite near the Martians; but they never returned, for now and again* a light-ray, like the beam of a warship’s searchlight swept the common, and the Heat-Ray was ready to follow. Save for such, that big area of common was silent and desolate*, and the charred* bodies lay about on it all night under the stars, and all the next day. A noise of hammering* from the pit was heard by many people.
lingerいつまでも残る restlessly落ち着かずに adventurous冒険好きな soul人 afterwards後で crawl這って行く for now and againときどき(cf. every now and then) desolate荒れ果てた(形容詞と動詞で発音が違う。動詞の語尾lateは「レイト」みたい、動詞以外の語尾lateは「リット」みたいな発音。第57話参照。) char黒焦げにする hammerハンマーでダンダン叩く
1. オレンジのandが繋いでるものは?
2. ピンクのandが繋いでるものは?
3. 赤のSaveを別の一語で書き換えると?
4. 紫のsuchが指しているものは?
5. 緑のandが繋いでるものは?
6. 青のitが指しているものは?
7. 茶色のandが繋いでるものは?

解答編
<英文解釈記号ルール>
〔〕→関係詞句・節
【】→接続詞句・節
《》→挿入句・節
[ ] →名詞句・節
()→副詞句・節
〈〉→形容詞句・節
A curious crowd lingered* (restlessly*), 《(people coming and going) but (the crowd remaining)》, (both on the Chobham and Horsell bridges). One or two adventurous* souls*, 《it was afterwards* found》, went into the darkness and crawled* (quite near the Martians); but they never returned, (for now and again*) a light-ray, 《like the beam of a warship’s searchlight》 swept the common, and the Heat-Ray was ready to follow. (Save for such), that big area of common was silent and desolate*, and the charred* bodies lay (about on it) (all night under the stars), and (all the next day). A noise of hammering* 〈from the pit〉 was heard (by many people).
1. オレンジのandが繋いでるものは、wentとcrawled。
2. ピンクのandが繋いでるものは、前後のSVという風にごまかしておきます。内容的には、they never returnedで切れて、a light-ray…swept…とthe Heat-Ray was ready…の2つのSVを繋いでるというのが正しそうですが、文法的には3つのSVを繋いでるということでも行けそうです。
3. 赤のSaveを別の一語で書き換えると、Exceptですね。save for≒except forで「~を除いて」です。ただしsave forは21世紀では古すぎてあまり使われません。
4. 紫のsuchが指しているものは、前文のfor now and again以下ですね。light-rayとHeat-Rayを除けば、ということです。
5. 緑のandが繋いでるものは、前後の2文(SV)。
6. 青のitが指しているものは、(that big area of) commonです。
7. 茶色のandが繋いでるものは、all night…とall the next dayです。

火星人はどうやら「light-ray」(≒サーチライト)と「Heat-Ray」(≒レーザー砲)の2つを使い分けているみたいだね!
全訳
興味津々な人々は落ち着かずにいつまでもチョブハム・ブリッジやホーセル・ブリッジに残っていた。人々は行ったり来たりしてたのに、群衆はそこに残っていたのだ。のちにわかったことだが、1、2人の冒険心あふれる人が暗闇へと消えていき、火星人に這って接近したものの、戻らなかったようだ。時折、軍艦のサーチライトのビームのような光線が共有地をぐるりと照らし、レーザー砲は即応態勢に入っていた。そういうことを除けば、共有地の大部分は静かで荒れ果てていた。黒焦げになった死体が一晩と一日中、星空のもと共有地に横たわっていた。多くの人が、ハンマーでガンガン打つ音を穴の方から聞いた。

andでいっぱい繋がってるときは、文と文が繋がってるなら切って訳すといいな。


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